私たちが普段何気なく行っている習慣が歯や顎にダメージを与え、身体に様々な影響を与えていることが多くあります。
例えば、ストレスによる日中の食いしばりや睡眠中の歯ぎしり。
通常、脳は歯や顎に負担をかけないように噛む力を制限していますが、日々のストレスなどによって食いしばりや歯ぎしりが起こると、固い食べ物を食べるときの約8倍の力が歯や顎に加わるのです。
こうした習慣によって歯や顎に負担が蓄積され、顎関節症や噛み合わせの悪化を生んでしまいます。
そこで、歯ぎしりや食いしばりによって生じてしまった噛み合わせの悪化、そして顎関節症の治療について詳しくご紹介していきます。
「顎に違和感がある」「慢性的な頭痛や肩こりを抱えている」という方はぜひ参考にしてください。
アクセス
【所在地】
〒274-0825 船橋市前原西2-13-1
藤和津田沼コ-ポ103
JR線「津田沼」駅から徒歩3分/夜19時まで診療
診療について
- 診療時間
-
[月〜水、金]
9:00~12:00
13:30~19:00
[土]
9:00〜12:00 - 休診日
- 木・日・祝
咬合・顎関節症治療

噛み合わせの悪化は早期の治療が必要です
~このような症状はありませんか?~
日中や睡眠中の食いしばり、またその他の何気なく行っている習慣によって顎関節や噛み合わせが悪化してしまうと、身体に様々な症状が現れる場合があります。
特に、下記のような症状が現れている場合は注意が必要です。
-
- 食べ物を噛んだり、長い間しゃべったりすると、あごがだるく疲れる
-
- あごを動かすと痛みがあり、口を開閉すると、とくに痛みを感じる
-
- 耳の前やこめかみ、頬に痛みを感じる
-
- 大きなあくびや、りんごの丸かじりができない
-
- ときどき、あごがひっかかったようになり、動かなくなることがある
-
- 人さし指、中指、くすり指の三本を縦にそろえて、口に入れることができない
-
- 口を開閉したとき、耳の前の辺りで音がする
-
- 最近、あごや頸部、頭などを打ったことがある
-
- 最近、かみ合わせが変わったと感じる
-
- 頭痛や肩こりを起こしやすく目が疲れやすい
~噛み合わせの悪化がもたらす悪影響~
噛み合わせが悪化すると様々な悪影響が現れます。
下記のような悪影響を予防するためにも、先ほどの症状例に当てはまっている項目のある方はお早めに当院までご相談ください。
-
- 1
-
虫歯になりやすい
- 咬み合わせが悪いと虫歯になりやすくなります。
歯の汚れは、歯と歯がぶつかったり、食べ物をよく噛んだりすることで付着しにくくなる性質があります。
しかし、咬み合わせが悪いと歯の当たる面積が小さくなり、汚れが自然に落ちないことで虫歯となりやすい傾向にあります。
-
- 2
-
歯周病になりやすい
- 咬み合わせが悪いと噛んでいる歯に強い負担がかかり、歯周病の可能性を高めます。
30歳を過ぎるあたりから人は体の抵抗力が下がり、歯周病のリスクはさらに高まります。
-
- 3
-
しっかりとした歯科治療が難しい
- 咬み合わせが悪い方は歯が斜め、もしくは凸凹しているために歯科治療が困難になります。
また、治療後に歯が割れたり、神経が近くなることで痛みの原因となることがあります。
-
- 4
-
顔に歪みが出やすくなる
- 顔は表情筋や咀嚼筋(そしゃくきん)など多くの筋肉によって構成されていますが、咬み合わせが悪いと片方だけで噛むようになり、筋肉のバランスが崩れ顔が歪んできます。
その下の骨は筋肉の厚みによって変化するため、最終的には顎の形も変化することがあります。
-
- 5
-
頭痛になりやすい
- 噛む筋肉の側頭筋(そくとうきん)は顎の関節から頭の横につながる筋肉を指しますが、咬み合わせが悪いことによって側頭筋が緊張し、頭痛を誘発する場合があります。
-
- 6
-
肩こりが起こりやすい
- 噛む筋肉は首や肩にかけて繋がっている広頸筋(こうけいきん)に繋がっており、咬み合わせが悪い方はこれらの筋肉バランスが崩れ、肩が凝りやすくなります。
顎関節に影響が出ている場合は要注意!
噛み合わせの悪化のほか、顎関節に影響が出ている場合も注意が必要です。
~顎関節症とは?~
顎関節症とは、顎の関節や顎を動かす咀嚼筋に異常が起こり、「顎が痛い」、「口が開きにくい」、「口を開いたときに音がする」といった症状が現れる病気です。
ある疫学調査の結果によると、顎に何らかの症状を抱えている日本人口は70〜80%にのぼると言われています。
日常生活でのストレスから食いしばりが起こったり、睡眠中に歯ぎしりが顎関節に大きな負担を与えているのです。
~顎関節症の症状~
顎関節症は自覚症状のまったくないという方でも症状の要因が潜んでいる可能性があります。
特別な治療を行わなくても自然に治まることも多くありますが、口が開けづらくて物を食べにくい、あるいは痛みが出るなどのように、日常生活に支障が出るのであれば早めに検査を受けることをオススメします。
下記は顎関節症の方に見られる症状の代表例です。
-
- 1
-
顎の開閉時、また咀嚼時に痛みが生じる
- 顎関節症の第一の症状として、顎を動かした際に痛みが生じます。
この症状は「顎関節痛」(滑膜炎、関節包あるいは円板後部結合組織における炎症による痛みによるもの)と「咀嚼筋痛」(筋・筋膜疼痛で頭頚部および口腔顔面領域の持続性疼痛によるもの)の2種類に大別されます。
-
- 2
-
口が大きく開かない
- 通常、顎関節に異常がなければ自分の人差し指から薬指までの3本の指を縦にして口に入れることができます(約40mm)。
指3本が入らない場合は、顎関節、咀嚼筋に何らかの異常があると考えるべきです。
-
- 3
-
開口時にガリガリ・シャリシャリと音が鳴る
- 咀嚼時や大開口時にガリガリ・シャリシャリと音が鳴ったり、カックンといった関節音が生ずる場合があります。
ただし、通常、こうした関節音は痛みを伴う時を除いて特別な治療を行う必要はありません。
顎関節や噛み合わせが悪くなる原因
顎関節症や噛み合わせの悪化は、私たちが普段何気なく行っている習慣によって生じていると考えられています。
特に下記のような習慣のある方は普段から注意し、対策を行っていく必要があります。
-
- 1
-
ストレスなどによる歯ぎしり・食いしばり
- 顎関節症や噛み合わせの悪化は、過度の緊張やストレスなどによって生じることがあります。精神的な緊張は筋肉を緊張させ、歯ぎしりや食いしばりを誘発します。そして、こうした無意識の習慣が顎関節や噛み合わせに大きな影響を与えているのです。
顎関節症については、ストレスの多い時期である20~30代の方に多く見られる症状でもあります。
-
- 2
-
姿勢の悪さ
- 体のゆがみと噛み合わせは密接に関係しているため、普段の生活の中で取っている姿勢は噛み合わせに大きく影響します。例えば、あなたはバッグを持つ時、いつも決まった方の肩に掛けてはいませんでしょうか?
その他にも、決まった方の足を上にして足を組む、睡眠中にいつも同じ方向を向いて寝ているといった習慣のある方も注意が必要です。
こうした姿勢の習慣は、身体の歪みを引き起こし、顎関節や噛み合わせにダメージを与える原因となります。
-
- 3
-
悪い癖や習慣
- 噛み合わせを悪化させる癖の例として、「頬杖をつく」といった習慣があります。
例えば、あなたはテレビを見るときなど、いつも決まった方向に向いて頬杖をつきながら画面を見てはいませんでしょうか?こうした癖は顔へ継続して力を加わることで骨を変形させ、顎や噛み合わせに影響を与えることがあります。
また、食べ物を右の歯で噛むことが多い、左の歯でしか噛まない、といった噛み癖のある方も要注意です。
噛み癖のある方は片側に筋肉が偏ったり、負担が蓄積されることで身体のバランスを崩してしまうのです。
その結果、噛み癖がある方へきつい肩こりが生じる・片側の視力が低下するなどの症状が現れることがあります。
顎関節症、噛み合わせ悪化の治療法
顎関節症は噛み合わせの異常を含めた、様々な要因によって引き起こされる病気です。
そのため、原因が異なれば、それに対する治療法も異なります。
例として、ストレスなどによる日中の食いしばりが原因で顎関節症を引き起こしている場合は、食いしばりが症状の原因となっていることを理解していただき、それを止めるように指導します。さらには咬合に異常がある場合は咬合治療も行います。
また、睡眠中の歯ぎしりで関節痛を引き起こしている場合には、関節への負荷を軽減させるための歯ぎしり対策のスプリントを就寝中に装着していただきます。疼痛の強い方には非ステロイド系消炎鎮痛薬を投与します。
その他、筋痛に対しては負荷の軽減およびホットパック、大開口による筋ストレッチを行います。
慢性筋痛や広範囲の筋痛、痛み神経の過敏化によって引き起こされる場合には三環系抗うつ薬が効果的です。
まずは問診と検査によって原因を明らかにし、患者様に合った最適の治療法を考えていきます。
セルフケア
- 咬み合わせはもちろん、歯ぎしり・食いしばり、頬杖、うつぶせ寝、猫背など日常の生活習慣が原因とされています。そのため、治療は生活習慣を見直すセルフケアが中心となります。
基本は「顎に負担をかけないこと」。食いしばり・歯ぎしり、頬杖などの悪癖をしないよう常に心がけてもらい、片方で咬まずに両方で均一に咬むようにしてもらいます。また、顎の筋肉の緊張をほぐし関節まわりにかかっている負担を解消するためのマッサージ・ストレッチ方法を指導します。
鎮痛剤・消炎剤の処方
- 鎮痛剤や消炎剤を飲むことにより痛みと炎症を抑えます。慢性化した炎症を抑えて、痛みの軽減を図ります。
スプリント矯正
- 咬み合わせを修復する方法として、シリコン製やレジン製のマウスピースをはめて顎関節にかかる負担を軽くし、正しい位置を身体に覚えさせるスプリント矯正が効果的です。全体的な矯正治療や部分矯正などを行い咬み合わせを改善します。
マウスピースによる治療
- 歯の磨り減りが原因で咬み合わせが悪化している場合、これ以上すり減らないようにマウスピースで保護する方法があります。歯を削ることなく、マウスピースを調整することで顎の位置を調整します。
また、磨り減りが激しい方には、減ってしまった分の咬み合わせを戻すため、仮歯や矯正、セラミックなどを使って治療することがあります。
治療期間は症状の程度によって異なりますが、完治まで1年ほど見て改善していきます。
顎関節や星状神経節へのレーザー照射治療
- 顎関節や星状神経節(頚椎から第一胸椎にかけて連なる交感神経節の最下部に位置する交感神経の中継点)にレーザーを適用することにより、顎関節症による開口の痛みの緩和に役立ちます。
詳しくは「レーザー治療」にて紹介しています。